ドライブレコーダーのステッカー
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どうして標準装備のドラレコがなかったのか

トヨタは2022年10月3日にカローラシリーズの一部改良を発表しましたが、その際、一部グレードを除きドライブレコーダーが標準装備化されました。
今までドライブレコーダーは後付けが当たり前で、ディーラーオプションを選ぶか、アフターパーツメーカーの製品を取り付けるか選択していましたが、標準化によって悩みの種が一つ減ったといっていいでしょう。

ドライブレコーダーが標準装備されなかった理由とは

今や2台に1台ほどの割合で装備されるほど、ドライブレコーダーは普及しています。
それなのに今まで標準装備されなかったのはさまざまな理由があります。

海外におけるプライバシーの問題

国や地域によって異なるプライバシーへの考え方の違いがあります。ドライブレコーダーによる録画行為を違法と考える国が少数ですが存在するためです。
また、ヨーロッパでは事故処理に関係しない場面での映像や音声が記録されることに対して慎重な姿勢を取る国が多くあります。
日本でもどこで走ったか、誰と一緒に乗車したかなど記録に残ることを嫌がる人は少なくありません。
こうしたドライブレコーダーに対する扱われ方が、標準装備へのハードルとなっていました。
BMWやテスラなどの海外ブランドにも、車載カメラの映像を記録できるシステムが搭載された車もありますが、機能は制限されています。

ディーラーオプションの稼ぎ頭

ドライブレコーダーは昨今の事情から必要な装備という認識が広まりました。
そのため、ディーラーオプションとして稼ぎ頭であったドライブレコーダーを最初から標準装備に取り組むのは販売現場から反発の声もあるようです。

どうしてトヨタはドライブレコーダーを標準装備化したのか

トヨタは以前からドライブレコーダーの有用性を認識していました。
しかし、事故の原因を探るには最近の車に標準装備されているEDR(イベントデータレコーダー)のほうが重要という考え方があります。
EDRとは事故を起こした車の挙動をデータ化して記録するものです。
そのため、プライバシーの問題もありドライブレコーダーの搭載をちゅうちょしていたのですが、最近のあおり運転や高齢ドライバーの事故などが大きな社会問題となり、トヨタとしても予防安全技術の一環としてドライブレコーダーの標準装備が検討されるようになったわけです。
トヨタの標準装備のドライブレコーダーは記録したデータを装置のメモリーに内蔵し、データの再生はディスプレイオーディオで行います。
今のところ、あくまで安全運転支援装備というコンセプトなので、記録した映像を後で楽しむという概念はないとのことです。