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フリッカー現象の原因と対策済みモデル

なぜ録画映像の信号機が点滅したり消えたりするのか

ドライブレコーダーの映像を確認した際、赤信号や青信号がチカチカと高速で点滅していたり、最悪の場合は真っ暗で消灯しているように映ったりすることがあります。これは故障ではなく、フリッカー現象(LED信号機同期問題)と呼ばれる技術的な現象です。

かつての電球式(白熱球)信号機では、フィラメントが熱を持って光っていたため、電流が途切れても一瞬で暗くなることはなく、残像によって常に光っているように見えました。しかし、現在主流となっているLED信号機は、電流が流れると即座に点灯し、止まると即座に消灯するという応答性の良さを持っています。実は、LED信号機は家庭用電源と同じ交流電気で動いているため、目には見えない速さで点灯と消灯を高速で繰り返しています。

人間の目は残像効果があるため、この高速点滅を認識できず、ずっと光っているように見えます。しかし、ドライブレコーダーはパラパラ漫画のように1秒間に数十枚の写真を撮影して動画にしているため、カメラが撮影するシャッターを切るタイミングと、信号機が消灯しているタイミングが偶然重なってしまうと、映像上では信号が消えているように記録されてしまうのです。

東日本と西日本で異なる電源周波数の影響

この現象を理解するためには、日本の電力事情を知る必要があります。日本国内では、静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりを境界線として、東側が50Hz(ヘルツ)、西側が60Hzという異なる周波数の電気が供給されています。

これは、LED信号機が東日本では1秒間に100回(50Hz×2)、西日本では1秒間に120回(60Hz×2)点滅していることを意味します。ここで問題になるのが、ドライブレコーダーのフレームレート(1秒間の撮影枚数)です。

例えば、ドライブレコーダーのフレームレートが30fps(1秒間に30コマ撮影)だったとします。これを西日本(60Hzエリア)で使用した場合、信号機の点滅周期である120回は30の整数倍であるため、タイミングが完全に同期してしまうリスクがあります。カメラが撮影する瞬間が、常にLEDが消えている瞬間と重なり続けてしまうと、数秒間にわたって信号機が真っ黒に映る消失現象が発生します。

東日本(50Hz)でも同様に、25fpsのカメラを使用すると同期して信号が消える可能性があります。もし事故が交差点で発生し、その時の自分の信号が青だったのか赤だったのかを証明したい場面で、信号機が消えて映っていたら、証拠としての価値が大きく損なわれてしまいます。

全国のLED信号機に対応したドライブレコーダーの選び方

現在販売されている国内メーカー製のドライブレコーダーのほとんどは、この問題を解決するための対策が施されています。これから購入する場合は、パッケージやスペック表にLED信号機対応全国LED信号機対策済みといった表記があるかを確認することが重要です。

対策の仕組み:フレームレートの調整

LED信号機対応モデルでは、撮影するフレームレートをあえてキリの悪い数字に設定することで対策しています。例えば、本来なら30fps(30コマ/秒)としたいところを、27.5fpsや29.1fpsといった中途半端な数値に設定します。

こうすることで、仮に1枚目の撮影タイミングが信号機の消灯と重なったとしても、次の2枚目、3枚目の撮影タイミングでは周期が微妙にズレるため、必ず点灯している瞬間を捉えることができます。映像上では多少チカチカと点滅しているように映ることもありますが、数秒間ずっと消えているという最悪の事態は防げるため、何色の信号が出ていたかは確実に判別可能です。

古いモデルや海外製格安モデルへの注意

注意が必要なのは、数年前に購入した古いドライブレコーダーを使い続けている場合や、並行輸入された海外製の格安モデルを使用する場合です。海外では信号機の電源事情が日本と異なる場合や、そもそもLED信号機の普及率が異なるため、日本の50Hz/60Hz両方に対応していない製品も存在します。

特に、30fps固定や60fps固定となっているモデルを西日本で使用するのはリスクがあります。もし、お手持ちのドライブレコーダーで信号機が消える現象が頻発する場合は、設定メニューで光源周波数の設定(50Hz/60Hzの切り替え)ができるか確認するか、あるいはフレームレートを変更できる機能がないか探してみてください。設定変更ができない場合は、万が一の事故に備えて、全国のLED信号機に対応した最新モデルへの買い替えを検討することをお勧めします。信号機の色は、過失割合を決定する上で最も重要な証拠の一つだからです。