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ドラレコ用microSDカードの選び方と耐久性の規格

ドライブレコーダーに適したカードと一般用の違い

ドライブレコーダーを購入した際、多くの製品には初期付属品としてmicroSDカードが同梱されています。しかし、長期間使用してカードが寿命を迎えたり、より長時間の録画を残すために大容量のカードへ交換したりするケースは少なくありません。その際、スマートフォンやデジタルカメラ用の安価なmicroSDカードを選んでしまうと、思わぬトラブルの原因となります。ドライブレコーダーで使用するカードには、過酷な使用環境に耐えうる耐久性と規格が求められるからです。

ドライブレコーダーは、エンジンの始動と同時に録画を開始し、走行中は常にデータを書き込み続けます。カードの容量がいっぱいになると、古いデータを消して新しいデータを上書きするループ録画を繰り返します。この絶え間ない書き込みと消去の繰り返しは、SDカードにとって非常に大きな負担となります。一般的なSDカードは、たまに写真を保存したりデータを読み出したりすることを想定して設計されているため、ドライブレコーダーのような常時書き込み環境では、短期間で書き込み回数の上限に達し、エラーを起こして破損してしまうのです。

フラッシュメモリの書き込み方式であるSLC・MLC・TLC

SDカードの耐久性を左右する最大の要素は、内部に採用されているNANDフラッシュメモリの種類です。データを保存するセル(部屋)の構造によって、主にSLCMLCTLCという3つのタイプに分類されます。これらは1つのセルに何ビットの情報を詰め込むかという違いがあり、詰め込む情報量が少ないほど耐久性が高く、多いほど安価に大容量化できるという特性があります。

もっとも耐久性が高いのがSLC(シングルレベルセル)です。1つのセルに1ビットのデータしか記録しないため、構造が単純で書き換え回数への耐性が非常に強く、業務用や産業用に使われますが、価格が非常に高額であるため一般消費者向けではありません。

次に耐久性が高いのがMLC(マルチレベルセル)です。1つのセルに2ビットのデータを記録します。SLCには及びませんが、一般的な用途に比べて格段に高い耐久性を持ち、書き換え可能回数は約1万回前後と言われています。ドライブレコーダー用として販売されている高耐久カードの多くは、このMLC方式、あるいはMLCと同等の耐久性を持たせたpSLC方式などを採用しています。

一方、もっとも普及しているのがTLC(トリプルレベルセル)です。1つのセルに3ビットのデータを詰め込むため、大容量のカードを安く作ることができますが、書き換え耐性は低く、数千回から数百回程度で寿命を迎えることもあります。安価なSDカードのほとんどはこのTLC方式であり、ドライブレコーダーで使用すると数ヶ月から半年程度で書き込みができなくなるケースがあるのはこのためです。安心して使い続けるためには、パッケージに高耐久ドラレコ対応MLC採用といった表記がある製品を選ぶことが鉄則です。

転送速度を示すスピードクラスと規格の基礎知識

耐久性と同じくらい重要なのが、データの転送速度です。最近のドライブレコーダーは高画質化が進んでおり、フルハイビジョンや4K、さらには前後2カメラ同時録画など、膨大な映像データを瞬時にSDカードへ書き込む能力が求められます。もしカードの書き込み速度がドラレコの要求する速度より遅い場合、データの保存が追いつかず、録画が途中で停止したり、コマ落ちしたりする不具合が発生します。

最低限必要なClass10とUHSスピードクラス

SDカードの速度規格にはいくつかの種類がありますが、まず確認すべきはSDスピードクラスです。これは円の中に数字が書かれたマークで示されており、ドライブレコーダー用としてはClass10が必須条件となります。Class10は、最低でも毎秒10MBの書き込み速度を保証するという意味です。これ以下のクラス(Class4やClass6など)では、現在のドラレコの映像データを処理するには力不足です。

さらに高速な規格としてUHSスピードクラスがあります。Uの字の中に数字が入ったマークで、U1(最低10MB/秒)やU3(最低30MB/秒)と表記されます。4K録画対応の機種や、360度カメラなどの大容量データを扱う機種では、このUHS-I U3クラスの性能を推奨している場合があります。ご自身のドライブレコーダーの取扱説明書を確認し、指定されているスピードクラス以上のものを選ぶようにしましょう。

容量ごとの録画可能時間とメンテナンスの必要性

microSDカードの容量は、録画できる時間の長さに直結します。容量が大きければ大きいほど、過去の映像が上書きされて消えるまでの期間を延ばすことができます。これは事故の記録だけでなく、あおり運転の被害に遭った際や、ドライブの思い出を振り返る際にも有利に働きます。

画質設定と容量のバランス

録画可能時間は、ドライブレコーダーの画質設定(解像度やフレームレート)によって大きく変動します。一般的なフルハイビジョン(1920×1080)の1カメラモデルの場合、32GBのカードで約2時間から4時間程度の録画が目安となります。これが前後2カメラモデルになるとデータ量は2倍になるため、録画時間は半分の約1時間から2時間程度に短くなります。

長距離のドライブや旅行の記録をある程度残したいと考えるなら、32GBでは心許ない場合があります。最近では64GBや128GBといった大容量カードに対応するドライブレコーダーも増えています。ただし、古い機種や一部のモデルでは32GBまでしか認識しない場合もあるため、購入前に必ず対応最大容量を確認してください。容量が大きいカードを選ぶことは、書き込みが行われるセルが分散されることにもつながるため、結果としてカード一枚あたりの寿命を延ばす効果も期待できます。

エラーを防ぐための定期的なフォーマット

高耐久で高速なカードを選んだとしても、メンテナンスフリーというわけではありません。SDカードは使用を続けるうちに、データの断片化(保存場所がバラバラになること)が進み、書き込みエラーが発生しやすくなります。これを防ぐために必要なのがフォーマット(初期化)です。

多くのメーカーは、2週間に1回から月に1回程度の頻度で、ドライブレコーダー本体の機能を使ってSDカードをフォーマットすることを推奨しています。最近ではフォーマットフリーを謳う機種も登場していますが、これらもあくまでエラーが起きにくいファイルシステムを採用しているだけであり、物理的な劣化は避けられません。定期的なフォーマットは、カードの不調を早期に発見し、いざというときに撮れていなかったという最悪の事態を防ぐための重要な習慣です。